グレーな家族

グレーな家族の中で育った愛着障害の私の葛藤

グレーな家族~家族を諦められない私のお話~♯1

自分の家族と周りの家族と違う。

 

そう思ったのは、小学校になって友達の家にお邪魔するようになってから。

初めて友達の家にお邪魔して、きれいな室内に衝撃を受けたのは今でも忘れられない。

 

私の家は今で言う【汚部屋】で、飼い猫・犬の糞尿・汚れたお皿・ごみ・洋服・あらゆる出しっぱなしのものであふれていて、ゴキブリはもちろん、うじ虫、ネズミが出てきたこともあった。

 

そんな状況でも、私は自分の家の異常に気付かない。それが当たり前だと思っていたから。もちろん家族が掃除をしたのを見たことのない私は、掃除の仕方もわからない。

 

当時新築マンションに引っ越ししたばかりで、自分の部屋ができたことで浮かれていた私。友達を何度か招待したが、みんななんとも言えない顔をして家に足を踏み入れる。そして全然遊んでないのに足早に帰っていく。しばらくすると招待しても誰も家に来なくなった。理由はわからない。が、代わりに友達の家に行くことが増えた。友達の家は当たり前だが快適だ。きれいな食器にそそがれた飲み物。整理整頓されている室内。その子の家が特別じゃない。ほとんどの家がきれい。私は初めて自分の家が【汚い】という事実に気付いた。

 

自分の家が汚いと気付いた私は、まず母にその事実を伝える。すると母は

「うちは共働きだから家が汚いのが当たり前。」当時の私の中では母が一番【絶対君主】そして再び、我が家は汚いのが当たり前という考え方にアップデートされた。汚いということを認識した私は、自分の家に人を招待することをやめた。

 

 

両親の共働きのおかげで当時のうちの家計はそれなりに潤っており、欲しいものは口に出すとすぐに買ってもらえたので、身なりだけはきれいで、最先端のゲームなど、コミュニケーションツールがたくさんあったため、幸い友達はいなくならなかった。

 

成長していく日々の中で、自分の家だけじゃなくて家族自体がおかしいことに気付かされる。

 

家族と離れても尚、家族を諦められない私のお話。