グレーな家族

グレーな家族の中で育った愛着障害の私の葛藤

グレーな家族~家族を諦められない私のお話~♯5

反発と言っても自室で過ごす時間を長くすることぐらいしか思いつかず、いかに自室で過ごそうか毎日考えていた。

 

うちでは寝ること以外で自室に行くことが許されておらず、勉強などもすべてリビングですることを強要されていた。しかし、リビングはゴミや脱ぎ散らかされた服、洗っていない食器などであふれている。宿題や勉強しようにも、スペースを確保しようと物をどけると怒られるので、山積みのゴミの上で勉強をしていた。

物心がついてからはずっとこのような生活をしてきたが、しかし、ある日私は悪気なく

 

「ここには勉強するスペースがない」

 

と言葉を漏らしてしまった。すると母の顔はみるみる赤くなり、ダイニングテーブルの上のものをブルドーザーのように押しのけた。それなりに力を入れたであろう、机の上に置いてあったお皿などが宙を舞い建具などにあたり盛大に割れた。私は何が起こったのかわからず呆然と立っていることしかできなかったが、母はすぐに我を取り戻し、

 

「お前が余計なことを言うからこうなった。お父さんが帰ってくる前に、お前が片付けろ。」

 

と言い放った。しかし床には無数の破片。ごみの上に破片が散らばったのであろうが埋もれて、小さい破片が確認できない。しかし動かないわけにはいかず、母と私は足の裏に数針縫うケガを負った。ケガをして母は少し反省したのか、病院から帰ると破片の片づけをし始めた。とは言っても、破片だけ片付けられるわけもなく、一帯のゴミなども一緒に片付けることとなり、この日私は久々に家の床を見た。

 

その日を境に、罪悪感からなのか母がリビングでの勉強を強要しなくなり、私は自室で過ごすことが許されるようになった。自室で過ごしている間、母は嘘のように私に難癖をつけることがなくなった。家でのプライバシーが確保され、まさに快適だった。自室で過ごしている間は、電話やメールなどもできるようになり、勉強時間以外はほとんど千晴と連絡を取り合った。

 

しかし母が私を野放しにするわけがなかった。