グレーな家族~家族を諦められない私のお話~♯7
後に弟から、お姉ちゃんは行きたくないから3人で行こうと母に言われた事を知った。毎日罵倒されても、気を失うほど叩かれても、私はそれでも母を嫌いになれない。一種の洗脳のような感じだろうか。母がいなければ生きていけないと心のどこかで思い詰めていた。
それから毎日自室の扉を開けて過ごしていた。携帯電話だけはなぜか見せろと言わない母。少し不思議に思いながら毎日千晴とのメールは続けていたが、やましいことがなくても聞かれるのが嫌で電話は避けていた。
その事情を伝えていたので、千晴から電話がかかってくることはなかったが、ある晩千晴から電話が鳴った。急用かもしれないと、私は急いで電話に出たが、母も早かった。電話がかかって来るや否や、私の部屋の前まで来て当たり前のように電話の内容を聞き始めた。今までは隠れていたけど、電話の時はこのような感じだったんだなと、改めてゾッとした。
その日の晩なぜか夜中に目が覚めた。寝返りを打つと、真横にはライトアップされた母の顔が。私はびっくりして、声も出なかった。次第に母が私の携帯電話を見ていることに気が付いたが、母は私が起きたことに気が付いても何食わぬ顔で携帯電話を見続けた。そうして、満足したのかなにも言わずに私の部屋から出て行った。
もしかしたら毎日携帯電話を見ていた?堂々と見せろと言いそうな母がなぜ夜中にこそこそと?いまだに答えは出ていないが、多分堂々とみると私がメールを削除したりする可能性があったからなんじゃないかと思う。
監視される日々が続き、反発しようにもしきれない私は母に隠し事がどんどん増えた。学校行事だと嘘をつき放課後遅く帰ったり、レシートやメールの履歴などを消したりすることぐらいしかできなかったが、毎日母に見つかるんじゃないかとソワソワして生きた心地がしなかった。それでも家に帰るよりはマシ。と私なりの些細な反発だった。
そんなある日弟がとうとう壊れた。